- アメリカの政治情勢年表 2026年
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1月
・ニューヨークの市庁舎でマムダニ新市長の就任式開催,マムダニ氏は「新時代の幕開けだ」と宣言し「市民の生活を改善するための権力行使はためらわない」と述べて,選挙戦での公約の家賃の値上げ凍結や保育の無償化,バスの無料化などの実現を約束(1日)。
・トランプ大統領がベネズエラへの大規模な攻撃を実施しマドゥロ大統領と妻を拘束したとSNS上で発表,その後の記者会見で情報漏洩を懸念して議会に事前通知しなかったと述べる。拘束された大統領夫妻はニューヨーク市北西のスチュワート国際空港に到着。ボンディ司法長官はマドゥロ大統領を「麻薬テロの陰謀,コカイン輸入の陰謀,機関銃および破壊的装置の所持,米国に対して機関銃および破壊的装置を所持する陰謀」の罪状で拘束と発表,NYタイムズ紙はベネズエラ政府高官の情報として,攻撃により民間人含む少なくとも40人死亡と報道,ベネズエラ政府は「違法な武力行使」と非難し国連安保理の緊急会合を要請(3日)。
・トランプ大統領がベネズエラの暫定大統領となることになったロドリゲス副大統領に対して,自分の意思に従わなければ「彼女はマドゥロ氏よりも厳しい状況に直面するだろう」と威嚇し,「われわれが望むのは石油の問題を解決し、国家を立て直した上で選挙を実施することだ」と主張,ロドリゲス氏は「共通の発展に向けて共に取り組むよう米政府に呼び掛ける」,「米国とベネズエラが均衡の取れた敬意ある関係に向けて進むことが最優先だ」とSNSに投稿(4日)。
・トランプ大統領がアトランティック誌のインタビューでデンマークの自治領グリーンランドについて,自国防衛の観点から「絶対に必要だ」と述べ、改めて領有に意欲を表明,デンマークのフレデリクセン首相はグリーンランドは売り物ではなく,米国には「併合する権利はない」と反発し,同盟国に対する「脅迫」をやめるよう要求(4日)。
・ホワイトハウスのレビット報道官が「大統領はグリーンランドの獲得が米国の国家安全保障の優先事項であり,北極圏で敵を抑止するために極めて重要だと明確にしてきた」と強調(6日)。
・トランプ大統領が「国連気候変動枠組条約(UNFCCC)」など31の国連の国際機関を含む66の国際組織から脱退する覚書に署名,ルビオ国務長官は「我が国の利益に無関係あるいは相反する機関に対し,資源や外交的資本,そして我々の参加による正当性の重みを我々がこれ以上費やすことはない」との声明を発表(7日)。
・連邦議会上院本会議でトランプ大統領が議会の承認なしでベネズエラに対してさらなる軍事行動をとることを禁じる決議案を本会議で審議するための動議を賛成52,反対47で可決,共和党議員5人が賛成,1人が棄権,トランプ大統領は「彼らは二度と公職に就くべきではない。米国を防衛する権限を奪おうとする民主党と共に賛成票を投じた共和党議員は恥じるべきだ」とSNSに投稿(8日)。
・連邦検察が連邦準備制度理事会(FRB)本部の25億ドルの改修工事をめぐって刑事捜査を開始,パウエルFRB議長は今回の捜査は同氏が金利をめぐり政権と対立を続けるなかで生じた「口実」で,「刑事訴追の脅迫は,FRBが大統領の意向に従うのではなく国民の利益に対する最善の評価に基づいて金利を設定していることの結果だ」と強調(12日)。
・トランプ政権が連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長に対する刑事捜査を開始すると決定したことに対して,グリーンスパン元FRB議長やイエレン前FRB議長,バーナンキ元FRB議長など14人がFRBの独立性に対する「前例のない」攻撃と非難する連名の声明を発表,一部の共和党議員も非難,世界各国の中央銀行総裁がパウエル議長への支持を表明(12日)。
・トランプ大統領がホワイトハウスでベネズエラの野党指導者でノーベル平和賞を受賞したマリア・コリナ・マチャド氏と会談,会談後の記者会見でマチャド氏はマドゥロ大統領を排除したトランプ氏を称えるため「自由への比類なき献身に対する称賛の証し」として「ノーベル平和賞のメダルを贈った」と述べる。「ノーベル平和センター」は「メダルの所有者が変わることはあっても,ノーベル平和賞受賞者という称号の所有者は変えられない」とコメント(15日)。
・トランプ大統領がグリーンランドの取得が実現するまで欧州8カ国(デンマーク,ノルウェー,スウェーデン,イギリス,フランス,ドイツ,オランダ,フィンランド)からの輸入品に10%の関税を賦課(2月1日に発効)し,6月1日には25%に引き上げるとSNS上で発表,欧州諸国とEUは強く反発しデンマークとグリーンランドへの「完全な連帯」を表明(17日)。
・CNNの世論調査(SSRSが1月9日〜12日に全米の成人1209人対象に実施)で米国によるグリーンランド領有について約75%が反対,共和党員と共和党寄りの無党派層では支持と反対が各50%,民主党員と民主党寄りの無党派層で94%が反対,両党に偏らない無党派層の約80%が反対,ベネズエラへの軍事行動について52%が反対,48%が賛成(17日)。
・連邦議会下院本会議でトランプ大統領が議会の承認なしにベネズエラに対しさらなる軍事行動を取ることを禁じる決議案を賛成215,反対215で否決,反対派は、現在ベネズエラに米軍は駐留していないため、同案は不要だと主張(22日)。
・NYタイムズ紙の世論調査でトランプ氏の政権運営への支持率が40%,不支持率が56%との報道に対して,トランプ大統領が世論調査の不正や偽装が横行していると根拠を示さず主張(22日)。
・ミネソタ州ミネアポリスで移民・税関捜査局(ICE)の職員の発砲により移民取り締まりへの抗議活動中の男性1人死亡(24日)。
・バイデン前大統領がミネソタ州ミネアポリスでの移民・税関捜査局(ICE)の職員の発砲により市民2人が射殺された事件について,「ミネアポリスで起きたことは、米国人としての最も基本的な価値観を裏切るものだ。私たちは市民を路上で銃撃する国ではない」とトランプ政権の対応を強く非難(27日)。
・トランプ大統領が連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長に元FRB理事のケビン・ウォーシュ氏を指名すると発表(30日)。
・ミネソタ州セントポールの教会でトランプ政権の移民取り締まりに反対する抗議デモを18日にライブ配信していた元CNNキャスターのドン・レモン氏が司法当局が逮捕されたと同氏の弁護士らが発表,その後に釈放(30日)。
2月
・トランプ大統領が2020年の大統領選に関する陰謀論を煽る動画を5日深夜にSNSに投稿,動画の終盤でオバマ元大統領夫妻の顔を類人猿の体に合成した人種差別的な画像,民主党だけでなく共和党の一部からも激しい批判を受け,6日に動画を削除(6日)。
・連邦議会上院本会議で2026会計年度の国土安全保障省の予算案を賛成52票,反対47票で成立に必要な60票に届かず否決,民主党は,共和党が移民・税関捜査局(ICE)の権限を抑制する改革に同意しない限り,同省への資金提供を支持しないと言明(12日)。
・ニューヨーク連銀が,トランプ大統領が就任以来,各国からの輸入品に課した関税の90%は米国の消費者と企業が負担しているとの調査報告書を公表,昨年1月〜8月にトランプ大統領の関税による打撃の94%を米国民が負担し,9〜10月には92%,11月には86%,11日発表の議会予算局(CBO)の報告書では,外国の輸出企業が関税の5%を負担し,「米国企業が利益率引き下げによって輸入価格の上昇分の30%を吸収する。残りの70%は値上げによって消費者に転嫁される」と評価(12日)。
・トランプ大統領が温室効果ガスの排出を規制する法的根拠となっていたオバマ政権時の2009年に導入された政府見解,温室効果ガスの排出が人の健康に害を与えるとする「危険性認定」を撤回し,自動車の温室効果ガスの排出基準も即時廃止すると発表,トランプ氏は記者会見で「危険性認定」は「事実に基づく根拠が全くなく,法的な根拠もない」と述べ,地球温暖化は「詐欺だ」と主張,オバマ元大統領は「危険性認定」がなくなれば「私たちの安全や健康が損なわれ,気候変動と闘う能力も低下する」とし,今回の措置は化石燃料産業に利益をもたらすだけだと批判(12日)。
・連邦最高裁がトランプ政権による各国への「相互関税」の賦課について,政権が法的根拠とした国際緊急経済権限法(IEEPA)は,大統領が関税を発動する権限を認めておらず違法とした下級審の判断を支持する決定,9人の判事のうちリベラル派の3人とロバーツ最高裁長官,保守派の判事2人が違法と判断(20日)。
・トランプ大統領が最高裁の判断に「深く失望した」と述べ,違法とした判事に対して「恥を知れ」と非難,通商法122条に基づいて各国に15%の関税を賦課すると発表,同上に基づく関税賦課は最長150日間(20日)。
・トランプ大統領が「相互関税」に対する連邦最高裁の違憲判断を受けて20日に表明した各国への10%の関税賦課を「完全に許容され,法的に検証された15%の水準」に引き上げると発表(21日)。
・トランプ大統領が1期目退任時にホワイトハウスから機密文書をフロリダ州の私邸に持ち出したとされる事件について,フロリダ州の連邦地裁がトランプ氏の捜査と起訴を担当したスミス元特別検察官による報告書を恒久的に非公表とする決定,トランプ氏が同事件で有罪となっていないことを理由として公表は「公平性と正義の基本的な概念に反する」と指摘,審理を担当したキャノン判事は第1次トランプ政権時に判事に指名(23日)。
・CNNの世論調査(2月17〜20日に全米の成人2,496人対象に実施)でトランプ大統領の支持率が36%,不支持率は63%,無党派層の支持率は過去最低の26%,トランプ氏の政策優先事項が適切との回答は32%,国の特に重要な課題に十分な注意を払っていないとの回答は68%,トランプ氏の政策は国を間違った方向に導くとの回答が61%(24日)。
・(現地24日夜)連邦議会下院本会議場でトランプ大統領が一般教書演説,1時間48分の長時間の演説の冒頭で,「米国がかつてないほど大きく,良く,豊かで,強くなった」とし,「今夜,わずか1年を経て,私たちは誰も見たことがないような変革と,時代を超えた好転を成し遂げたことを尊厳と誇りを持って言うことができる」と主張,移民問題や経済情勢,国際情勢,関税など事実と異なる根拠を列挙して「自画自賛」の内容,民主党議員の一部が抗議の声を上げ議場から退出(25日)。
・バンス副大統領がウィスコンシン州での演説で,「民主党がaffordability(価格の手ごろさ)について語るのを聞くのは,放火犯が火事について不平を言うのを聞いているようなものだ」と非難し,バイデン政権下で始まった物価上昇については民主党が責任を負うべきだと主張(26日)。
3月
・ロイター/イプソスの世論調査でトランプ大統領の支持率が39%,前回調査から1ポイント低下,米国とイスラエルのイラン攻撃について「支持しない」が43%,「支持する」が27%,共和党員の55%が支持,不支持は13%,トランプ大統領の軍事力行使は「行き過ぎ」が56%,民主党員の87%,共和党員の23%,無党派層の60%(1日)。
・CNNの世論調査(2月28日と3月1日に実施)で米国のイラン攻撃について「支持しない」が59%,支持は共和党支持者の77%,民主党支持者の18%,「トランプ氏には状況に対処する明確な計画がない」が60%,「今後のさらなる軍事行動には議会の承認を得るべきだ」が62%,「軍事力行使の前にイランとの外交努力を十分に行なった」が27%,「不十分だった」は39%,イランの体制転換の試みは賛成44%,反対56%,イランへの地上部隊の派遣の支持は12%,反対は60%(3日)。
・トランプ大統領がイラン攻撃にともなう原油価格の高騰による米国内のガソリン価格上昇について,「全く心配していない」とし,現在のイランの「状況が解消すれば価格は急速に下がるだろうし,上がるなら上がるだろう」と述べ,イランでの作戦が「ガソリン価格が多少上昇することよりも,はるかに重要な問題だ」と主張(5日)。
・トランプ大統領が移民対策を主導してきたノーム国土安全保障省長官を解任すると発表,閣僚の解任は第2期トランプ政権で初めて,強硬な移民対策への批判の高まりに中間選挙への悪影響を懸念(5日)。
・司法省がエプスタイン文書を追加公開,1980年代に未成年だった女性がプスタイン氏から紹介されたトランプ氏に性行為を強要され,暴行を受けたとの証言記録を含む(6日)。
・レビット大統領補佐官がトランプ大統領は原油価格の高騰によるガソリン価格の急騰などについて,エネルギー担当チームと市場動向を注視し追加対策を策定していると発表(10日)。
・トランプ大統領がイランに対しホルムズ海峡に敷設した機雷を撤去するよう要求し,従わなければ「かつてない軍事的な結果」に直面すると警告,イランの機雷敷設船10隻以上を破壊し,さらに攻撃を続けるとSNSに投稿(10日)。
・トランプ大統領がイラン攻撃にともなう原油価格の高騰について,米国は世界最大の産油国で,「石油価格が上昇すれば莫大な利益を得られる」と主張,民主党のケリー上院議員(アリゾナ州選出)は「ガソリン価格高騰の恩恵を受けているのは大手石油会社だけだ」とし,「トランプ氏が喜んでいるのは当然だ。彼は裕福な人々しか気にかけたことがないからだ」とSNS上で批判(12日)。
・トランプ政権が原油価格高騰への対応として,現在海上で滞留しているロシア産原油・石油製品の購入を各国に認める30日間(4月11日まで)のライセンスを発行,ウクライナ侵攻にともなうロシアへの経済制裁の一部を緩和(12日)。
・連邦通信委員会(FCC)のカー委員長が中東での紛争に関する否定的な報道をめぐって,「法律は明確だ。放送局は公共の利益のために活動しなければならず,そうでなければ免許を失うことになる」と述べ、「フェイクニュースとしても知られる,虚偽や事実を歪曲した報道を行なっている放送局には,免許更新の時期が来る前に軌道修正する機会が今与えられている」とメディア各社の警告,言論の自由擁護団体「FIRE」は,カー氏の「権威主義的」な警告を「言語道断」と批判し,「政府が罰則をちらつかせて報道機関に国家の代弁者になるよう要求するのであれば,それは何かが大きく間違った方向に向かっているということだ」と非難(15日)。
・米国家テロ対策センター(NCTC)のジョー・ケント所長が「イランは差し迫った脅威ではない」との認識を示し,「この戦争がイスラエルと米国内のロビー活動の圧力で始められたことは明らかだ」と強調し,「良心に照らしイランとの戦争を支持できない」と辞任を表明,同氏はMAGAの支持者(17日)。
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