駒形哲哉


個人基本情報
氏名:
駒形哲哉[こまがたてつや]
職位:
准教授
研究室:
三田研究室535
略歴:
1988年:慶應義塾大学経済学部卒業,92年:同大学大学院経済学研究科修士課程修了(89年9月〜90年7月:中国南開大学留学),92年〜97年:(財)霞山会職員,研究員,97年:慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程単位取得満期退学,97〜2000年:獨協大学経済学部専任講師,2000年:慶應義塾大学経済学部専任講師,2003年より助教授(2007年より准教授)。
最終取得学位:
修士・経済学・慶應義塾大学
受賞学術賞:
平成17年度中小企業研究奨励賞経済部門本賞(移行期中国の中小企業論による)
所属学会:
アジア政経学会、日本中小企業学会、中国経営管理学会、アジア経営学会、比較経済体制学会
教育活動
担当科目(2007年度)
[通学課程]
経済体制論、研究会、演習(ユニバーサルデザイン)、マルクス経済学II(日吉)、工業経済論・制度政策特論(大学院)
[通信教育課程]
卒論指導
教育方針:
実証的経済研究には現場感覚が不可欠であると考えており、少人数科目では(2001年度、2002年度日吉自由研究セミナー、2003年度演習、2004〜06年度研究会など)生産現場の調査を実施し、また、調査が困難な場合には、視覚的理解を深める教材を多く使用するよう留意している。2004年度から研究会では4年生を対象に中国研修を実施している。
講義科目では、歴史的内容を論じる際にもその現代における意味を説明している。内容を受講者が理解と思考を自ら深めることを目的に、小レポートを科し、定期試験では小レポートの内容を統合的に展開するような出題を行なっている。また、必要に応じて講義資料を配布しており、授業内容に関する質問に対しては、個別に対応している。
研究会については、天野貞祐氏が大学に対して示された理念(大学は学問を通じての人間形成の場である)にならい、「学問を通じた人間形成の場」にしたいと考えている。
研究活動
専攻・研究領域:
中国経済
現在の研究活動
研究課題名:
アジア諸国の産業発展と中小企業(専修大学社会知性開発研究センター、オープン・リサーチ事業)
途中経過及び今後の計画:
標記プロジェクトは2004年度から5年計画で始まり、その現地調査グループに所属している。これまで中国・天津市、蘇州市、大連市、瀋陽市東大阪市などで企業・機関を訪問して実態把握を試みてきた。天津、蘇州、温州においては関係機関の協力の下にアンケート調査も実施している。2008年度に成果とりまとめを行なう予定である。
研究課題名:
中国の産業発展と制度改革−自転車産業を例として
途中経過及び今後の計画:
経済学部研究教育資金、慶應義塾東アジア研究所高橋産業経済研究財団助成(ならびに財団法人清明会研究助成)等を得て、2005年度より、天津南開大学経済学院および経済研究所スタッフと共同で研究を行なっている。日本から中国に生産移転が進行し、東アジア地域間、中国内部の地域間で分業が形成されつつ、中国へ生産が集中している産業として自転車産業をとりあげ、その集積地を日中両方について調査し、比較検討を行なっている。これまで天津市、華東地域(上海市、江蘇省昆山市・太倉市・無錫市・常州市・泰州市・丹陽市、浙江省杭州市・寧波市・慈渓市)と大阪府、埼玉県、神奈川県においてメーカーおよび関係機関に対する日中合同調査を行なった。検討の結果は2008年度までにとりまとめて出版する計画である。
主要業績:
○著書
  • 移行期 中国の中小企業論 ;税務経理協会 ; 2005/07/05
  • 監訳と解説 陳乃醒、傅賢治主編 中国中小企業の発展と予測―民営経済:発展・制度・構造・管理・科学技術;独立行政法人中小企業基盤整備機構;2006/03
○単著論文
  • 中国における体制移行と産業発展―天津自転車産業の事例―; 中小企業のライフサイクル 日本中小企業学会論集26 ; 日本中小企業学会、同友館 ; P.141-154 ; 2007/08/06
  • 軍事財政;中国をめぐる安全保障;村井友秀・阿部純一・浅野亮・安田淳編 ミネルヴァ書房;P.319-343;2007/07/30
  • 解放軍ビジネスと国防工業(軍民転換・軍民兼容);中国をめぐる安全保障;村井友秀・阿部純一・浅野亮・安田淳編 ミネルヴァ書房;P.344-375;2007/07/30
  • 産地市場型産業発展とその変化―中国紹興・紡織産業の事例―;三田商学研究;V.49/No.2/P.103-121;2006/06/25
  • 移行期における非公有制企業の成長と地域産業発展の含意―中国・温州モデル研究の視角― ; 中小企業と知的財産 日本中小企業学会論集24 ; 日本中小企業学会、同友館 ; P.104-116 ; 2005/06/30
  • 在華日本中小企業的可持続性発展分析―以対十一家企業的調査為中心 ; 日本研究論集 ; 天津 南開大学日本研究院 ; 天津 ; V.9/P.182-202 ; 2004/09
  • 加入WTO與中国中小企業之市場因応 ; 新世紀的中国 ; 台北 政治大学国際関係研究中心 ; P.153-176 ; 2002/08
  • 中国沿海都市近郊における農村発展メカニズムの変容―天津市郊外村の事例を中心に― ; 三田学会雑誌 ; V.95/No.2/P.191-226 ; 2002/07
  • 軍事工業―軍民転換とその戦略的背景 ; 移行期中国の産業政策 ; 丸川知雄編 日本貿易振興会アジア経済研究所 ; P.293-334 ; 2000/03/27
閲覧者へのメッセージ:
経済学というと難しい数学を使った理論がイメージされるかもしれません。数学ができたほうがよいにこしたことはありません。また、現実を分析するために理論は重要なツールです。しかし他方で、現場で得られた知見から論理を組み立てる思考力も養ってほしいと思っています。私はエリアスタディという視点から、現場での知見から論理を組み立て、その意味を考える作業を続けていますが、現場でしか出会えない、さまざまな刺激を楽しんでいます。