伊藤 幹夫


個人基本情報
氏名:
伊藤 幹夫 [いとう みきお]
職位:
准教授
研究室:
507
略歴:
最終取得学位:
修士・経済学・慶應義塾大学経済学研究科
受賞学術賞:
所属学会:
日本経済学会, 日本ファイナンス学会
教育活動
担当科目(2003年度)
[通学課程]
マクロ経済学初級I, 経済数学II, 演習, マクロ経済学II, 研究会
[通信教育課程]
なし
教育方針:
1.マクロ経済学初級I
マクロ経済学初級と銘打ってはあるが,多くの学生にとって初めての経済学の講義であることを考慮して,経済学全般に関する基礎概念を丁寧に解説することに気を配っている.経済循環と国民経済計算,なぜ経済理論が必要か,マクロ経済学の根本原理は何かなどについて,反復を恐れず教えている.またWEB上に講義ノートを公開している.小テストを数回行う予定.
2.経済数学II
条件付最適化問題が経済学にとっていかに重要かを理解させることを目的としている.Kuhn-Tucker定理から最適制御問題まで,経済学における実例を示しながら,学部2年生でもわかるように離散モデルに制限して講義を行っている.また,かなりの頻度でMathematicaなどの数学ソフトを使ったプレゼンテーションを講義に取り入れている.これも,WEB上に講義ノートを公開しており,毎回の板書のデジタル・ファイルを希望者に配布している.
3.演習
コンピュータを用いて,シミュレーションによる経済モデルの分析の演習を行う.解析的に解けない非線形常微分方程式で記述される経済動学モデルや,放物型編微分方程式で記述されるオプション価格決定理論をこれまで題材にとりあげた.講義が1で学生の発表が2くらいの割合で授業を進める.
4.マクロ経済学II
経済成長と経済変動に関する古今の理論をとりあげる一方,それらがどのように検証されたか,実際に現実説明力はあったか,政策的な提言は実りあるものであったかを調べた実証的な研究も並行して,紹介して学生の興味が現実経済にも向くように気を配っている.WEB上に講義ノートを公開している.
5.研究会
前期において,その年設定されたテーマについて理論・実証分析の方法を輪読・演習によって学び,後期は日本,諸外国のデータを用いて,実証分析を行う.グループ単位で頻繁にレポートを課し,共同作業の中で各学生が自分の得意とするものを発見できるようにしている.WEB上では,過去の研究会で使われたツールやマニュアルまでアクセス可能にして,在籍しているゼミ生の便宜をはかっている.
研究活動
専攻・研究領域:
理論経済学・計量経済学
現在の研究活動
研究課題名:
金融・財政政策の短期的ならびに長期的有効性
途中経過及び今後の計画:
これまでマクロデータを用いて、財政政策の短期・長期の効果を検証し、論文「政府支出の短期的効果と長期的効果」(『マクロ経済学の方法・理論と実証・政策』伊藤幹夫・大平哲編著(御茶の水書房)に収録)にまとめた。今後は,より産業ごとのばらつきなどに注目しながら,財政政策の効果の長期的効果を検証していきたい.
主要業績:
[単著論文]
"Monopoly and General Equilibrium," Keio Economic Studies, vol.10, No.2,1983
「グッドウィン成長循環模型の構造安定サイクル」『三田学会雑誌』85巻4号
「非線形景気循環理論の実証」『三田学会雑誌』88巻3号
「非線形性のテスト:多変量の場合」『三田学会雑誌』89巻4号
[共著論文]
「流動性制約と異時点資産選択モデル」『三田学会雑誌』82巻特別号(大平哲氏と共著)
[著書]
『景気変動論』 八千代出版,1996年 (金指基氏他と共著, 4章,6章)
『経済数学』エコノミスト社, 1999年 (戸瀬信之氏と共著)
[編著書]
『マクロ経済学の方法・理論と実証・政策』御茶ノ水書房, 2002年
[その他]
『S-PLUSによる統計解析』(戸瀬信之氏他と共訳) シュプリンガー東京,2001年
『デリバティブの数学入門』(戸瀬信之氏と共訳) 共立出版, 2002年
閲覧者へのメッセージ:
[研究紹介]
マクロ経済学を実証的な側面から研究しています.特に近年の日本経済の動向について強い関心をもっており,財政・金融などの政策の有効性が目下の研究課題です.不況・デフレ下における政策がどんなものであるべきかは,古くて新しい問題といえます.この問題に対して,短絡的な結論はある意味で禁物であり,じっくりと取り組んでいきたいと考えています.