松岡 和美


個人基本情報
氏名:
松岡 和美 [まつおか かずみ]
職位:
教授
研究室:
日吉キャンパス・来往舎
略歴:
大阪府東大阪市出身。1988年:京都外国語大学外国語学部英米語学科卒。1990年:筑波大学大学院修士課程教育研究科教育専攻英語教育コース修了(教育学修士)。コネチカット大学(University of Connecticut/Storrs) 大学院言語学部博士課程修了(Ph.D.)。1996〜98年:マウントホリヨーク大学(Mount Holyoke College)アジア研究科客員講師。1998年〜2000年:メンフィス大学(University of Memphis)外国語・外国文学部助教授。2000年〜2006年:慶應義塾大学経済学部助教授。 2006年〜:慶應義塾大学経済学部教授。
最終取得学位:
Ph.D. (言語学, University of Connecticut)
所属学会:
日本英語学会、日本言語学会、筑波英語教育学会、日本手話学会、言語科学会
教育活動
担当科目(2007-08年度)
[通学課程]
英語Study Skills, 英語セミナー、言語学概論(文学部)、PCP英語科目
教育方針:
よい教育を受けた大学生に社会が期待するものは根本的には変わっていないと思います。それは「課された仕事を締め切りまでに、ルール守ってきちんとやりとげること(責任感・自己管理能力)」「自分の意見を明確に説明すると同時に、自分と違う意見も理解し、考慮すること(コミュニケーション能力)」「偏った思い込みや突発的な感情に流されず、客観的データに基づき、筋道に沿ってものを考えること(論理構築能力)」です。いくら「受験勉強」をやって検定に合格したり資格をとってみたところで、これらの能力がそろっていなければプロとして信頼されず、人に信頼されない人間にたいした仕事はできません。これらの能力の基本的な部分は、どんな人でも意識的な訓練によって身につけることが可能です。語学・専門分野の授業にかかわらず、この3つの点を改善することを考えながらクラスの運営をしています。
実際の授業運営で心がけていることは学生のやるべきタスクを常に明確にすることです。具体的には「何をやるのか」「なぜやるのか」「どうやってやるのか」「どう評価されるのか」のすべてについて、納得できるように説明するということです。また、授業で提示されたデータを履修生に考えさせ、自分から発言・説明するというスキルと、グループ活動も重視しています。
研究活動
専攻・研究領域:
言語学(生成文法の枠組みを用いた言語獲得研究、生成統語論)
現在の研究活動
研究課題名:
日本語の焦点表現の獲得と意味・統語のインターフェイスの研究、同時バイリンガルの統語知識の発達
途中経過及び今後の計画:
04年から始まった3〜5歳児の焦点表現(「も」「だけ」)の解釈に関する研究では、英語やドイツ語を母語とする子どもたちにも共通してみられる文法発達のパターンを見出し、国際学会で報告しました。また、日本語「だけ」の幼児の解釈が、格助詞の有無に影響を受けるという観察から、日本語の格システムが「抽象格」ではなく「形態格」である可能性を論じました(07年9月刊行「言語研究」収録論文)。バイリンガル児の文法発達に関する研究では、日英の同時バイリンガル児の発話データベースの構築および理論言語学の概念を用いた分析を学内外の研究者と共同で進めています。
主要業績:
[国際学術誌]
  • Case/ Focus Interaction in Young Children's Interpretation of dake (only) in Japanese, Gengo Kenkyu No.132.2007.
  • Verb Raising in American Sign Language, Lingua 102, Issue 2-3, 127-149.1998.
  • Binding Conditions in Young Children's Grammar: Interpretation of Pronouns inside Conjoined NPs, Language Acquisition 6:1,37-48. 1997.
[研究書・論文集]
  • 「幼児の取り立て詞の解釈における主語指向パターン」溝越彰・小野塚裕視・藤本滋之・加賀信広・西原俊明・近藤真・浜崎通世編『英語と文法と 鈴木英一教授還暦記念論文集』開拓社 231-240.2007年
  • 「生成文法と言語獲得研究」 中井悟・上田雅信編著『生成文法を学ぶ人のために』世界思想社 167-199ページ.2004年
[国際学会論文集]
  • The Acquisition of Japanese Focus Particles: dake (only) and mo (also) (co-authored with Nobuhiro Miyoshi, Koji Hoshi, Masanobu Ueda, Izumi Yabu and Miki Hirata) in David Bamman, Tatiana Magnitskaia and Colleen Zaller eds. A Supplement to the Proceedings of the 30th Boston University Conference on Language Development.2006.
  • Addressing the Syntax/ Semantics/ Pragmatics interface: The Acquisition of the Japanese Additive Particle mo. In the Online Supplement to the Proceedings of the 28th Boston University Conference on Language Development. 2004.
閲覧者へのメッセージ:
[研究紹介]
幼児のことばの発達研究を通して認知科学の理論構築に貢献することが私の研究の目的です。専門とする枠組みは「人間言語に共通する特性の知識は生まれた時から備わっている」と仮定する生成文法で、用いるデータ収集の手法は真偽値判断課題(Truth-Value Judgment)などのゲーム形式の実験と発話コーパスの分析です。これまでに扱ってきた現象は、日本語母語話者幼児の数助詞、格助詞、焦点表現(「も」「だけ」)英語母語話者幼児の代名詞の解釈(束縛現象)です。科学技術振興機構(JST)の大規模プロジェクトの研究分担者として、バイリンガル児の言語発達過程の研究にも取り組んでいます。もう一つの専門領域は、生成文法の枠組みを用いた手話の統語分析です。この分野の主要な業績はアメリカ手話における動詞句上昇の分析です。日本手話における動詞の重複現象にも大変興味があります。
[学生へのメッセージ]
オフィスアワー等を積極的に利用して話しに来てもらえればと思います。授業の履修を考えている人は上述の「教育方針」も参照してください。
[その他]
個人HPをご参照ください。http://web.hc.keio.ac.jp/~matsuoka/