林田 愛


個人基本情報
氏名:
林田 愛(はやしだ あい)
職位:
専任講師
研究室:
来往舎514号室、内線33341
略歴:
1976年:熊本県生まれ
1998年:シドニ−大学文学部仏語仏文学科卒業
1999年:同大学大学院修士課程(by coursework)修了(MA取得)
2001年:京都大学大学院文学研究科修士課程修了
2002年:ストラスブール第二大学大学院文学研究科DEA課程修了(DEA取得)
2005年:京都大学大学院文学研究科博士課程修了
2005年〜2006年:大阪府立大学人間社会学部(旧大阪女子大学キャンパス)非常勤講師
最終取得学位:
文学博士・仏語仏文学・京都大学
受賞学術賞:
所属学会:
日本フランス語フランス文学会
教育活動
担当科目(2007年度)
[通学課程]
フランス語I, フランス語II, フランス語IV(中級・三田), 自由研究セミナー
[通信教育課程]
教育方針:
フランス語の初級クラスでは、文法テキスト一冊を一年で終えることを目安に基礎文法力を養います。学生には練習問題の予習を課し、各自授業で答えてもらうことによって積極的な授業参加だけではなく、問題点の整理ならびに理解力の強化を促します。その結果難しいと思われる箇所に関しては、随時別プリントを作成し、さらに詳しい説明を行ないます。中級のクラスでは読解力を高めるために、経済・歴史・思想など様々なテーマに沿ったフランス語の長文を訳読していく作業と自由作文が中心になります。自由研究セミナーで学生のみなさんに望むのは、エミール・ゾラの小説をはじめとしてヨーロッパや日本の文学作品のなかに興味あるテーマを見い出し、そこから想像力の羽を大きくのばして国や時代を超えた「何か」を発見してもらうことです。
研究活動
専攻・研究領域:
19世紀フランス文学、思想
現在の研究活動
研究課題名:
19世紀末ヨーロッパにおける科学主義と社会病理の関係
途中経過及び今後の計画:
19世紀末フランスは一口に言えば科学主義のゆらぎという知的地殻変動を経験した。同時代に生き、楽観的進歩主義者とみなされることの多い自然主義作家エミール・ゾラ(1840−1902)の作品の本質をなすのは、じつは近代医学の発展や機会文明の蔭に隠れた人間と社会に対する根本的な問いかけであった。科学主義への盲目的な信仰は近代人の精神を蝕み神秘主義への憧憬や投げやりなニヒリズムへと誘う。この精神的危機は、科学という枠組みを超えた宗教的価値観の崩壊にほかならない。ゾラは科学的理性と道徳、すなわち科学と信仰の完全な調和に必要な叡智として<生命の畏敬>を掲げたが、それは、21世紀を迎えてもなお物質的進歩を渇望し、飽くなき自然破壊を続ける現代社会こそが見直さねばならぬものであろう。これまでの研究では、近代医学と自然療法の相克をめぐる<アルスとしての医学>、科学における<道徳>の役割、既存の<宗教>を超えた真に<宗教的な感情>の重要性等をモチーフとして、「進歩=社会治癒」とみなしたゾラの思想を当時の科学史ならびに思想的背景に位置づけることを試みた。今後はこれらの問題をさらに深めるべく、19世紀末のエリート校における宗教教育についての考察や、華々しい外科学発展の陰にある負の歴史の解明も調査に加えながら、フランス、広くはヨーロッパの近代化社会が直面した精神的危機の淵源を明らかにしたい。
主要業績:
著書
Zola à l'Œuvre, Presses Universitaires de Strasbourg, 2003 (共著).
単著論文
  • 「『生きる喜び』における科学万能主義批判 ― ゾラの文明観の一側面をめぐって ―」、『仏文研究』第32号、京都大学フランス語フランス文学研究会、2001、pp. 85-102.
  • « Zola et le progrès » Mémoire de DEA, Université de Strasbourg II, soutenu en octobre 2002.
  • 「エミール・ゾラの道徳的自然観 ― 19世紀ヨーロッパ医学思想との係わりにおいて ―」 京都大学文学研究科『人文知の新たな総合に向けて』(21世紀COEプログラム「グローバル化時代の多元的人文学の拠点形成」第二回報告書IV〔文学編1 論文〕)、2004年3月、pp. 339-349.
  • « Zola et la médecine moderne : Son éloignement de Claude Bernard », 『フランス語フランス文学会』、Nº 85・86、2005年、pp. 44-59.
  • 「ゾラにおける進歩の概念 ― 伝統的科学主義からの離脱 ―」(博士論文 : 2004年12月、京都大学大学院文学研究科提出。 2006年3月、コンテンツワークス株式会社)
  • 「ゾラにおけるニヒリズムの超克 ― 科学信仰から<未知>の畏敬へ ―」『日吉紀要/フランス語フランス文学』第43号、2006年9月.
閲覧者へのメッセージ: